1964年 「肉まん・あんまん」の成長
井村屋を代表する主力商品として時代を超えて人気を得ている「肉まん・あんまん」は1964年に登場する。肉まん・あんまんの発想は、アイスクリームの流通経路を冬場に活用する商品開発であった。しかし、当初は家庭に冷蔵庫が普及していないこともあって販売は伸び悩んだ。そこで考え出されたのがホカホカの肉まん・あんまんを提供できるスチーマー(蒸し器)での販売とアイスクリームの冷凍ケースの活用である。夏場、店頭でアイスクリームを販売する冷凍ケースも冬場にはアイスクリームの売上が落ち、お店のスペースを邪魔する存在になってしまう。そこで、井村屋の工場で製造した肉まん・あんまんを店頭の冷凍ケースに入れておき、必要な分だけスチーマー(蒸し器)で温めて販売する。出来立てのホカホカをスナック感覚で食べられるとあって、その後大ヒットし、倍々のペースで成長した。